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LiPo安全マニュアル

2006年10月11日  Hiro, ep-plane.com

LiPoバッテリーの発火や爆発などの事故が報告されている事から、LiPoが非常に軽くてパワフルなバッテリーである事を知っていながらも導入には躊躇されている方が多いのではないかと思います。

また、既にLiPoを使われている方の中には

「充放電時の電流さえきちんと守っていれば発火するような事は絶対に無いだろう」

と考えられている方もいらっしゃるかと思いますが、この1年半程の間に30種類あまりの色々なLiPoバッテリー製品を使ってきた私の経験から言わせて頂きますと、この考え方は危険です。
例え充放電時の電圧や電流を正しく守っていても、LiPoバッテリーパックはコンディションの悪い状態のままで充放電してしまいますと、一部のセルに負担が集中してそのセルが膨らんでしまいます。 場合によっては発火する事もあるのではないかと思います。

しかし少しの手間をかけてあげるだけで、LiPoが異常な状態になっている事を充電や放電を行う前に発見して発火という最悪の事態を予防する事が可能だと思います。
その手法を皆さんに知って頂きLiPoによる事故を防いで頂こうというのが本マニュアル作成の主眼であります。

あくまで私個人の方法論ですので、「これが完璧でこれがすべて」 という訳ではないと思いますが、特に技術を要するような難しい作業は何も無いと思いますので、LiPo初心者の方などはこのマニュアルをプリントアウトして充電時やフライト時など、LiPoに触れる際には繰り返し参照し、実行されると良いのではないかと思います。

このマニュアルが皆様のLiPoを使ったパワフル&セーフティフライトのお役に立てれば幸いです。

改訂履歴:
2005/1/23 初版
2005/2/18 満充電保管への注意を追加
2005/7/24 間違いを修正: 「表4 フライト後のLiPo電圧」の2セル推奨値が8.4Vとなっておりました。 正しくは7.4Vです。
2005/9/1 1C未満の低い電流での充電についての記述を訂正
2006/10/11 LiPoバッテリー専用の電圧計 CellMeter-4 を開発。 発売開始しました。

 

免責:
このマニュアルに書かれている手順に従ってLiPoを扱った結果、人災や物品破損等の事故が発生したとしても Hiro 及び ep-plane.com はそれらの事故に対して何らの責任も負いません。
その旨承諾された方のみ、マニュアル内の手順を実践して下さい。

 

LiPo販売メーカー様、ショップ様へ:
本来ならばこの様な利用マニュアルは、私の様な単なる1ユーザーからではなく、LiPo製品の販売メーカーやRCショップなどが提供すべきものであると考えます。 もし最初からそのようにして頂いたならば、過去の発火事故も防げたものがあったのではないかとも思います。

もし本マニュアルの内容がLiPoの事故防止の為に有用であると判断して頂いた場合には、商用かどうかを問わず、本マニュアルの一部あるいは全部をコピーし、掲載あるいは商品への添付等を行って頂いて構いません。 ただしその際には今後の内容訂正や追記の可能性を考え、
   http://www.ep-plane.com/ 
のURL表記、及び上記の免責事項を含めて下さい。

 


1. ラジコンでLiPoを使う為に必用なもの

 

ステップ1 (LiPo初心者向け)

LiPo導入時には必ず揃えましょう

LiPo対応の充電器 LiPoバッテリーを充電する為には、ラジコン用のLiPo専用充電器、あるいはLiPo対応充電器が必用です。

例えば以下の様な充電器を流用する事は不可能です。

NiCd(ニッカド)やNiMH(ニッケル水素)用などの充電器

リチウム系2次バッテリー(LiPo(リチウムイオンポリマー)/LiIo(リチウムイオン))と、ニッケル系2次バッテリーでは、満充電の検知方法がまったく異なります。 もしニッケル用の充電器でLiPoを充電してしまいますと満充電をまったく検知できず必ず過充電となり、最悪の場合は発火/爆発します。

ラジコン用ではないLiPo充電器

パソコン用や携帯端末用、あるいはビデオカメラ用の充電器などは、例えLiPo専用であっても使用できません。
通常、ラジコン用途以外のLiPoバッテリーパックには電圧監視回路が内蔵されており、多くの場合LiPoの充電器機能はそのパック内の回路側に含まれています。
充電器側は「充電器」とは言っても単なるACアダプタとしての機能しか持っていない事が多く、もしこれで電圧監視回路が内蔵されていないラジコン用のLiPoを充電してしまいますと過充電となり、最悪の場合は発火/爆発します。

LiPo専用充電器の価格は安く、3千円くらいからあります。
コンピュータやLCD画面が内蔵されている高価な充電器でも、まるでACアダプターの様な安価な簡易式充電器でも、充電器としての基本性能に大差はありません。 NiCd/NiMHと違い、高価な充電器で充電したからといって、フライト時に大きなパワーを出せたりですとか、バッテリーの寿命が延びたりですとか、その様な違いは出ません。

ただし、充電中の電圧や電流、充電された積算電流量が画面で確認できるものとできないものでは、バッテリー管理のしやすさや安全性の面で差が出てくると思います。 少し値が張りますが、私は画面付きの充電器を使われる事をお勧め致します。
LiPo対応充電器の例

テスター(電圧計) 0.01V単位での電圧計測が行えるテスターを準備して下さい。
たとえ電圧計機能が備わっている充電器をお持ちでも、別途テスターを準備しておく事を私は強くお勧めします。

デジタル式のテスターは、安い物では¥1,000くらいから売られていますが、それらで十分です。
アナログ式のテスターは、校正がきちんと行われている高級品でない限りはお勧めいたしません。
デジタル式でも購入してから数年以上経過したもので校正を行っていないものは誤差が大きくなっている可能性があります。LiPoは0.01V単位で電圧を確認する必用がありますので、古いものをお持ちの方は校正に出すか、あるいはLiPo専用に安い新品を買ってしまった方が良いかと思います。


\1,000〜\2,000程度の安いテスターの例:
こんな安物で十分ですので、もし持っていない方はLiPo導入と同時に買ってしまいましょう。


ステップ2 

LiPoを本格的に使い始めたら是非揃えましょう

電流計 LiPoバッテリーだけでなく、モーターやアンプなど、ありとあらゆる電気製品には、流す事のできる電流に必ず上限値があります。

プロペラやギア比などを自分で変更した場合などは、フルスロットル時にどれだけの電流が流れるかを実際に測定して確認する必用があります。 もし最大許容電流を越えた電流で動作させようとしますと、モーターやアンプやバッテリーがオーバーヒートで壊れしまったり、あるいは最悪の場合は出火する事もあります。

多くのテスターにも電流計機能が備わっていますが、最大電流がミリアンペア単位だったり、あるいは多少大きな電流が測れるものでも電流計の内部抵抗が大きいために実際のフライト時よりも少ない電流が表示されてまうといった場合がほとんどです。 従って一般的なテスターは電流計としては流用できませんので、少し値が張りますが現実的には下記のいずれかが必用となってきます。

  • DCクランプメーター(直流用非接触電流計)


    共立電気計器 キューメイト2000/2001
    など



    使用例: バッテリーとアンプの間の電線のどちらか一本を挟むだけで電流が測れます。
    (電気が流れると必ず磁力が発生します(フレミングの左手の法則)ので、その磁力の大きさを検出して電流値として表示しています)


  • ラジコン用途向け多機能メーター

    AstroFlight Super Watt Meter

    RC Electronics Watt's Up


    使用例: バッテリーとアンプの間の電線に電気的に挿入する事で、電圧、電流、積算電流量、電力などを同時に表示してくれます。

プロペラ回転計 パワーユニット全体の調子が良い時のフルスロットル電圧と電流、それにプロペラ回転数も計測して記録しておく事で、後でもしパワーが落ちるなど調子が悪くなった際に何が原因なのかを判断し易くなります。

保温ケース 気温が15度C以下になる冬場、LiPoをあまり低温にまで冷やさない様にする為に使用します。
フライト待ち時間は使い捨てカイロなどと一緒に保温ケースに入れてLiPoを暖めておきます。
また、保温素材を加工して自作したバッテリーケースにLiPoを入れたまま機体に搭載する事で飛行中のセル間の温度差を少なくし、パワーの維持と共にLiPoを劣化から守ることができます。


左側の大きなケースはカイロと一緒に入れてLiPoを保温しておく為のもの。
右側のいくつかのケースは各LiPoのサイズに合わせてこの素材を切り張りして自作したもので、この中にLiPoを入れてから機体に搭載ます。 冬場に3セル以上のパックを裸で機体に搭載してしまいますと、外側のセルと中央セルの温度差のためにセルのバランスが大きく崩れてしまい、飛行中に外側セルだけ膨らんでしまう事もあります。

 

 

 


2. LiPoの利用サイクルと電圧

NiCdやNiMHなど歴史が長いバッテリーに比べますと、現状のLiPoは非常に神経質です。
例え充電方法や放電電流を間違っていなくても、ある日突然調子が悪くなってパワーが弱くなったり、充電中に膨らんだり、あるいは発火したりといったアクシデントが起こりやすいバッテリーであると言えると思います。

LiPoの利用サイクルの中の随所でLiPoの電圧を測定する事で、これらのアクシデントの多くを防止する事が可能です。
ラジコンでLiPoを使われているすべての方々に、以下のチェックを実践される事を強く推奨します。


電圧測定によるLiPoの状態判断方法
充電前 LiPoを充電器に接続する前には、必ずテスターでLiPoの開放電圧(テスターのみを接続した時の電圧)を測ります。

もしLiPoの開放電圧が表1の範囲内に無い場合は、LiPoになんらかのトラブルが発生している可能性があります。 

絶対にそのまま充電せずに、LiPoの扱いに詳しい方や販売メーカーなどに相談して下さい。

表1 LiPoの正常な電圧範囲
セル数 電圧範囲
単セル 3.30V〜4.22V
2セルパック 6.60V〜8.44V
3セルパック 9.90V〜12.65V
4セルパック 13.20V〜16.85V

何故電圧が低い時に充電を開始してはいけないのかと言いますと、もし電圧が表1の下限よりも低くなってしまっている場合、その原因は単なる過放電である事よりも、むしろパック内の一部のセルが故障してしまっている為である可能性の方が大きいからです。

仮に電圧が低い原因が単なる軽い過放電であり、バッテリーパックに含まれているすべてのセルが同じくらいの電圧で一様に低いのであれば問題ありません。 通常通り充電しても良いと思います。
しかし私の経験上、バッテリーパックの電圧が表1の下限よりも低い場合には、パックのうちの1個、あるいは数個のセルだけが極度の過放電状態になっていたり、あるいは内部抵抗が極端に上がってしまっていたり、容量が目減りしてしまっていたり、もしくは完全に壊れてしまっているといった事の方が多い様に思います。

バランスが取れたまま過放電になっているのか、あるいはアンバランス状態なのか、LiPoがどちらの状態になっているかを見極めるには、それなりの経験と測定機材が必用ですし、セル間タップを持っていないパックでは、パックを一旦分解しない限り、例えベテランでも見極める事はできません。  NiCd/NiMHバッテリーの様に、0.1Cの弱い電流で十数時間充電し続けてすべてのセルを満充電状態にするという手法も、自己放電しないLiPoバッテリーではまったく通用しません(もしやってしまいますと必ず過充電となり、最後は膨らんで発火します)。

もし大きくバランスが崩れたセルを含むパックを通常と同じ様に充電してしまった場合、満充電になるタイミングはセルごとに異なってしまいますので、充電器がパックの電圧を調べて満充電であると判断して充電を完了させる前に、既に一部のセルが過充電になってしまいます。
この過充電の度合が酷いとそのセルは膨らみ始め、最後には発火/爆発する場合もあると思います。 その時は膨らまない場合でも、過充電は確実にセルを劣化させていますので、以後パワーが弱くなってしまったり、ある日のフライト中に突然膨らんだりする事もあると思います。

「充電設定を間違えていないにも関わらず、LiPoが膨張/出火した・・・」という事例の原因のほとんどは、極度のセルアンバランス状態のパックを、パックのまま充電してしまったからではないかと思います。

よって、充電器の設定の間違いを無くす事と、セルアンバランスによる異常な低電圧状態を捕まえる事、この2点がLiPo充電時の出火事故を防ぐ最大のポイントになっていると思います。

逆に電圧が高い場合は充電器が故障しているか、前回充電時にバッテリー種やセル数の選択を誤ってしまっていた可能性が大きいです。 電圧が高くなってしまった原因が確認できるまで、そのLiPoと充電器を使用するのは中止して下さい。


電圧が表1の範囲内だった場合は、更に保管前の開放電圧(後述)と比べて大きく落ちていない事も確認します。
保管日数や保管温度にもよりますが、保管時から0.5V以上も落ちてしまっているような場合は、LiPoが劣化している可能性があります。自己放電が極端に増えてしまったLiPoは利用を中止した方が良いでしょう。

充電開始時
  1. 充電器のバッテリー種類の設定がLiPo(あるいはLiIo)になっている事

  2. 充電器のセル数や公称電圧の設定が充電しようとしているバッテリーパックと合致している事

  3. 充電電流が1C(バッテリーの容量と同じ数値)、あるいはそれ以下になっている事

毎回この3点を必ず確認してからバッテリーを充電器に接続して下さい。
特に1と2を間違えた場合には過充電で爆発する恐れがあります。
報告されているLiPoの発火事故のほとんどは、使用者による充電器の設定ミスのようです。
充電器のセル数自動判断機能や、あるいは間違ったセル数を設定した時の警告機能をあてにしてはいけません。 例えば、過放電状態の3セルパックと満充電状態の2セルパックでは同じくらいの開放電圧になります。 充電器の自動判断機能がこれらを取り間違える事があるのは容易に想像できます。

充電開始から
数分経った後
人間は必ず時々間違える生き物です。

充電開始から一息ついた後、再度充電器の表示を確認し、バッテリー種とセル数が間違っていない事を確認して下さい。

もし設定を間違えていても充電開始から数分以内に中止する事ができれば、発火にまで至る事はまずないと思います。

充電中 時々充電器の表示画面で電圧と電流、及び充電された積算電流量を確認して下さい。
全充電期間を通して、電圧(V)は必ず表1の範囲内を保っていなければいけませんし、電流(A)は1C以下の値でなければいけません。 積算電流量(充電された容量..Ah)はバッテリーの総容量を大きく超えてはいけません。

もし電圧が表1の範囲内を越えて高くなっていたり、いつまで経っても電圧が初期値のままで上がっていかなかったり、あるいは電流が1Cより高くなってしまっている場合、もしくは積算電流量がバッテリーの総容量を2割も3割も超えてしまっている場合は、充電器の設定ミスか故障です。すぐに充電を中止して下さい。

更に、最低でも5分に1回くらいはLiPoバッテリーの状態を目視で確認して下さい。
多くの場合、LiPoは発火する前には焼き餅のようにぷっくりと膨らみます。
膨らみ始めた初期の段階で充電を中止すれば、恐らく発火にまでは至らないと思います。

 重 要 !
 もし不幸にもLiPoが膨らんでしまった場合は、絶対に放り投げないで下さい
床や地面にたたき付けられた衝撃でパッケージが破れ、内部のガスが一気に大気中の酸素と結合して爆発します。 
充電器から慎重にバッテリーを外し、絶対に衝撃を与えないようにしながら出火しても問題の無い場所まで運んで下さい。 以後の処置はLiPoバッテリーメーカーにお問い合わせ下さい。

経過時間の確認 充電電流の設定を1Cにしており、もし充電開始から80分経過しても充電が完了しない場合、そのLiPoは恐らく劣化していると思います。
充電時間が80分を越えてしまった場合は、以後10分間、LiPoが膨らみ始めないかどうか目を離さないようにして、もし90分を越えても充電が完了しない場合にはあきらめて充電を中止して下さい。 そのまま充電を続けていればいつかは完了するかもしれませんが、このLiPoは内部抵抗が上がってしまっていますので新品時のようなパワーはもう出せないと思います。 放電電流・充電電流、ともに新品時よりも少なくする必用がありますので、安全を考えると破棄してしまった方が良いかもしれません。

※充電電流が1Cよりも低い場合には充電時間は上記よりも長くなる場合がありますが、それは異常ではありません。
既定の1Cよりも低い電流で充電する事は、充電時間が長くなる事以外になんら悪影響はありません。

2005年9月1日訂正: 1Cよりも低い電流で充電する事自体は問題ありませんが、この場合、定電圧充電の終了電流も引き下げられますから、1C充電時よりも沢山の電力が充電される事になります。 過充電まではいかなくても、かなり深めの充電となりますので、特に連続放電率15C以上の高性能LiPoでは過電圧気味になる場合があり、要注意です。
放電率15C以上の高性能LiPoでは、変に気を使って低い充電電流を選択せずに、なるべく1C電流で充電した方が良いでしょう。

充電完了時 充電時間が確認できる充電器の場合は、80分未満で充電が完了しているかどうかを確認します。

また充電された積算電流量が確認できる場合は、表2を参考にして充電前の電圧と充電された積算電流量が概ね一致しているかどうかを確認して下さい。

2006/10/11 CellMeter-4を使えば残量がすぐに判ります

表2 充電前の電圧と充電量の関係
充電前の電圧 正常な充電量
(パック容量との比)
単セル 3.30V〜3.50V
2セルパック 6.60V〜7.00V
3セルパック 9.90V〜10.5V
4セルパック 13.2V〜14.0V
90%〜100%
単セル 3.50V〜3.70V
2セルパック 7.00V〜7.40V
3セルパック 10.5V〜11.1V
4セルパック 14.0V〜14.8V
 80%〜90%
単セル 3.70V〜3.77V
2セルパック 7.40V〜7.53V
3セルパック 11.1V〜11.3V
4セルパック 14.8V〜15.1V
70%〜80%
単セル 3.77V〜3.80V
2セルパック 7.53V〜7.60V
3セルパック 11.3V〜11.4V
4セルパック 15.1V〜15.2V
60%〜70%
単セル 3.80V〜3.83V
2セルパック 7.60V〜7.67V
3セルパック 11.4V〜11.5V
4セルパック 15.2V〜15.3V
50%〜60%
単セル 3.83V〜3.90V
2セルパック 7.67V〜7.80V
3セルパック 11.5V〜11.7V
4セルパック 15.3V〜15.6V
30%〜50%
単セル 3.90V〜4.00V
2セルパック 7.80V〜8.00V
3セルパック 11.7V〜12.0V
4セルパック 15.6V〜16.0V
20%〜30%
単セル 4.00V以上
2セルパック 8.00V以上
3セルパック 12.0V以上
4セルパック 16.0V以上
0%〜20%

もし実際に充電された容量が表2の値よりもかなり少ない場合は、LiPoが劣化して容量が目減りしてしまっていると思います。 逆にかなり多い場合は、やはりLiPoが劣化していて自己放電癖(入れても入れても勝手に出ていってしまう・・・恐らくセル内部で漏電しています・・・)がついてしまっているものと思います。 どちらの場合も以後の利用は危険かもしれません。

フライト前 テスターでLiPoの開放電圧を測ります。
もし電圧が表3よりも低い場合には、そのLiPoパックは劣化して自己放電癖がついてしまっている可能性があります。
フライトは一旦あきらめて、電圧が低かった原因が判明するまではそのLiPoの使用は中止した方が良いと思います。
表3 フライト前(満充電時)のLiPoの正常な電圧
セル数 電圧範囲
単セル 4.15V〜4.22V
2セルパック 8.30V〜8.44V
3セルパック 12.45V〜12.65V
4セルパック 16.60V〜16.85V
フライト後 すぐにLiPoを機体から取り出します。

LiPoを機体に接続したままアンプの電源スイッチを切っただけの状態で放置しますと、アンプによっては待機電流によりLiPoを過放電にしてしまいます。

LiPoを機体から取り出した際には、LiPoの表面温度を確認します。
もしLiPoの表面温度が50度よりも高い場合にはセッティングが過負荷気味ですので、プロペラや飛行中のスロットル加減などを見直しましょう。

LiPoを機体から取り外した後は、LiPoの表面温度が人肌以下になるまで10分〜15分間ほど、万が一燃え出しても火災にならない場所に置いて冷まします。

人肌以下にまで温度が落ちたら、テスターでLiPoの開放電圧を測ります。
もし電圧が表4の最低電圧よりも低い場合には明らかに過放電(=長時間飛ばしすぎ)です。

表4 フライト後のLiPo電圧
セル数 最低電圧 推奨電圧
単セル 3.3V 3.7V以上
2セルパック 6.6V 7.4V以上
3セルパック 9.9V 11.1V以上
4セルパック 13.2V 14.8V以上


軽い過放電でも繰り返してしまいますとLiPoが次第に傷んでいきます。
また、表4の最低電圧を大きく下回ってしまっているような強い過放電は、一発でLiPoを傷めます。
できるだけ推奨電圧を下回らない様に、余裕を持って着陸させましょう。

フライト時間と負荷の関係ですが、最適な負荷に設定された飛行機ならば通常7分〜12分くらいのフライト時間になると思います。 例えば5分しか飛んでいないのに過放電気味になってしまうような場合はセッティングが過負荷です。
この様な場合はフライト時間ではなくて、セッティングの方を見直す必用があります。 

セッティングがLiPoにとって過負荷になっていないかどうは、こちらの方法で確認する事ができます。

再充電 フライト後のLiPoを再充電する場合は、前回のフライト終了から15分以上経過し、LiPoが人肌以下にまで冷めてからにした方が良いと思います。 あまり熱いうちに充電してしまいますと、充電中に電圧だけが早く上がってしまい、完全に満充電にならない場合があるようです。

逆に冬場はあまりLiPoを冷やし過ぎないように注意しましょう。 冷たくなってしまったLiPoは内部抵抗が上昇し、充電中にはやはり電圧だけが早く上がってしまって完全に満充電にできない場合があります。

保管前

LiPoを保管場所に格納する前に、テスターでLiPoの開放電圧を測ります。
もし電圧が表4の推奨電圧よりも低い場合には、1Cで10分〜20分くらいの間、補充電を行ってから保管した方が良いと思います。 
本来LiPoはほとんど自己放電しませんが、使い込んだLiPoや劣化しているLiPoでは自己放電量が大きくなる場合がありますし、30度C以上の場所での保存では健全なLiPoでも自己放電量が増加する様です。
あまり空に近い状態で長期保存してしまいますと自己放電によって過放電状態となり、使えなくなってしまいます。

電圧が低かった為に10分〜20分間ほど補充電した場合には、充電器から外してから更に30分ほど待って再度テスターで電圧を測り、表4の推奨電圧以上になっている事を確認して下さい。 もし補充電したにも関わらず電圧が上がらない(充電器から外すと電圧が落ちてしまう)場合にはLiPoが傷んでいる可能性があります。

空に近い状態とは逆に、満充電状態のまま長期保管しても劣化が早まってしまう様です。 状況によっては保管中に電圧が勝手に上昇し、膨らんで使えなくなってしまう事もあるようです。 充電したけれどフライトに使用しなかったLiPoは、20%〜30%ほどは放電してから保管するようにした方が安全だと思います。

最後に、保管直前に測った開放電圧をメモやパソコンに記録しておきましょう。
次回の充電前に開放電圧を測った際、保管前の電圧と比べる事でLiPoが異常な自己放電を起こしていないかどうかを確認できます。

 

 

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